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土地収用阻止の取り組み10項目方針

●2003年 2月9日 共同代表・島野房巳
 


静岡空港建設を廃絶に追い込もう

 われわれは今、県民不在ー時代の流れに逆行し、ただ大手ゼネコンと、利権に群がる政
治家の利益に奉仕するだけのこの空港建設事業を廃絶に追い込む最大の山場を迎えよう
としています。
 小泉首相は「国債発行30兆円以下、補正予算なし」と広言しておきながら恥知らずにもこ
れらをかなぐり捨てて、一旦は大ナタを振るうかにも見えた静岡空港にも補助を継続させま
した。これこそ、国民・地域住民を無視し国と地方の官僚的ナレアイのもとに依然として巨額
の税金ムダづかいを改めようとしない、野放図な「掴みガネ」の大盤振る舞いであります。
 今や小泉政権の施策は完全に官僚主導と化し、「小泉改革」は幻影として消え去ろうとして
います。
 知事石川はこれに力を得て、難航を極める空港用地取得に、力ずくで乗り出そうとしていま
す。われわれの固い決意の前に、今後、用地取得に進展はあり得ないのですから、彼は今
夏以前に、土地収用めざして事業認定の申請を行う意図であることは疑いありません。
 しかしこの空港建設は、あらためて言うまでもなく、明らかに県民の支持がない、また本来
不必要で「無用の長物」を作るに過ぎない、あらゆる公共事業を通じても税金ムダづかいの
典型と言うべきシロモノであります。そして、この莫大なムダづかいによって、県民の福祉、
民生、教育、医療などは言うに及ばず、地域住民の安全確保にとって必要な、身近な河川
や道路の工事まで大幅に削減され続けるという、県民生活に対する絶大なシワ寄せ・圧迫
が強行されています。空港建設に象徴される石川県政は県民に対する圧制そのものであ
り、まさに「稀代の悪政」と言うべきであります。
 この「悪政」の要(かなめ)と言うべき空港建設を、強制力を用いてまで強行することは、ま
ったく言語道断、もってのほかであります。この空港建設を「途方もない税金ムダづかい」と
して糾弾してきたわれわれは、今こそ、県民大多数の利益を守る立場から、力ずくの建設
強行に全力を挙げて対決し、断固としてこれを阻止しなければなりません。
 この空港建設は、事業として無意義で有害無益であるばかりでなく、知事石川と県は、そ
のように反県民的な事業を、国の官僚のナレアイ姿勢に乗じて、強引極まるやり方をもって
ゴリ押ししてきました。
 彼らの理不尽で非道なやり方の数々を挙げるならば、まず、空港設置については航空法
39条において明確に、許可要件として「用地取得の確実性」が規定されており、国も県も
「許可申請には地権者の限りなく100%に近い同意が必要」と繰り返し述べていたにもか
かわらず、知事石川は、従来の同種申請に例を見ない、共有者を含めた不同意多数地権
者の存在を無視して無理矢理、旧運輸省に設置許可申請の受理を迫るという恥知らずな
行動をとりました。
 これに対して運輸省は、客観的・現実的に「用地取得の確実性」がないという厳しい事実
を糊塗するため、姑息にも県との談合のもとに、「県の責任において全用地を取得する」と
の知事『確約書』を提出させ、不法な設置許可を与えました。この『確約書』には何の担保
力もなくて、まったく「空手形」に過ぎないことは最初から明白でした。行政権力が国民・地
域住民を欺く卑劣なナレアイとペテン以外の何ものでもありません。
 その後、県は、用地の完全取得には程遠く、はかばかしい工事の進捗は到底不可能な
現実を完全に無視して、無媒にも「見切り発車」的に本体工事に着手しました。案の定、
今日に至ってもなお、空港本体部と障害切土部分、合わせて270ヘクタールを超える広大
な地形改変・切土盛土区域全体において、われわれ反対派の所有地が多数箇所にわた
って点在するため、滑走路または制限表面の平面まで均らされた土地の面積は20%程
度、また、約2700万立方メートルという膨大な移動土砂量に対しては10%程度しか工事
は進んでいません。
 そして極め付きは、知事石川が、法定成立要件の約6倍にも達する署名による空港住民
投票条例の直接請求を、甚だしくトリッキーな手段を弄して踏みにじった行為であります。
 彼は、住民投票を実施すれば「空港ノー」の結果が必至の状況を前にして、知事延命を
図って知事選の公約に「住民投票賛成」を掲げざるを得ませんでした。県議会の知事与党
が数の暴力をもって民意を封殺し条例案を否決するや、彼が大見栄を切った「空港は住民
投票の結果に従うのが民主主義の大原則」という発言は跡形もなく雲散霧消し、その後、
彼は、重大な「公約違反」の上に立って知事の座にあることなど、怙として恥じるところもあ
りません。
 こうした、終始、理不尽で卑劣な強引さに満ち充ちた推進の挙句に、知事石川は土地収
用しか手がなくなって、前後の見境もなく強権的手段に訴えようとしているのです。「県の責
任において全用地を取得する」とした「確約」は、その湯凌ぎの、まったくのデタラメに過ぎ
ませんでした。この空港用地に関する土地収用は、無責任で権力的、強引で官僚的な事
業推進の、まったく恥ずべく、県民にとってこの上なく忌まわしい帰結であります。
 知事石川と県は、例えば00年9月、朝日新聞が企画したインターネット討論、同年11月、
静岡地方自治研究所が呼びかけたシンポジウム、01年、静岡朝日テレビが企画した県
下選出の各党国会議員によるテレビ討論、同年2月、下田市議会が申し入れた討論会な
ど、空港建設に関する賛否両派による討論の、機会をことごとく拒否し、醜くも、県民の前
で公正に議論をたたかわすことから逃げ回ってきました。
 また知事石川は、反対地権者に対し、例えば同じように地方空港を計画した他県の知
事が、土地提供を肯んじない地権者の許に幾度も足を運び、ときには泊まり込んでまで懇
請したというような誠意を見せたことは一度たりともありませんでした。
 知事石川は、このような、形さえ整えばよいとばかり、県民一般に対しても反対意見の
立場に対してもまったく誠意を欠いた態度・方針で押し通してきた挙句に、例えば一昨年
の知事選挙に際してマスコミ各社が実施した県民世論調査でも、県民のほぼ三人に二人
までが「不必要・反対」とするムダな空港について、力ずくで土地を取り上げ建設を強行す
ることをもくろんでいます。この無法にして卑劣極まる強権的方針に対して、われわれはあ
らためて、この事業推進の全過程を問題として、全県民の前で「この空港の必要性と事業
の進め方の是非」を問い責任の所在を追及する、知事との公開討論を要求したいと考えま
す。
 知事石川がもし、こうしたわれわれの当然の要求に応じることもなく収用法適用のための
申請に及ぶ場合は、われわれは一層決然たる態度をもって彼を追い詰めなければなりま
せん。われわれは、全県下は言うまでもなく全国の・良識と市民の意思を結集して、不退転
の決意をもってこの悪逆非道と徹底的に対決する方針であります。
 土地収用とはそもそも、公益確保の必要上、萬やむを得ない場合に限って、私権と公共
の利益を調整しつつ土地の確保ができることを目的として設けられた制度であります。こ
のため、土地収用法20条は事業認定の要件として、事業に公益上の必要があること、土
地の適正で合理的な利用に寄与するものであること、事業者に事業遂行の充分な能力が
あること等を要求しています。
 これらの要件をこの空港建設に当てはめてみると、まず、県民の三分の二までが支持し
ないような事業に、「公益上の必要」があると認められてよい道理は全然ありません。ま
た、オオタカの生息が象徴するような貴重な自然環境を大々的かつ決定的に破壊し尽く
すような事業が、「土地の適正で合理的な利用に寄与」するものであるはずがありません。
 さらに、今や財政は壊滅寸前の状況にある静岡県に、「事業遂行の充分な能力」などあ
り得ません。
 この空港建設は、逆立ちしてみても微塵もこうした事業認定の要件を充たすものではな
いのです。
 こうした法制面だけでなく政治的にみても、知事の命運を賭けるような事業が、無謀な
暴走の結果、用地取得に行き詰まり、県民の支持も得られない状況下でとうとう強制力
に訴えなければならないような事態を招いたことは、知事たる者の、政治的英知はおろ
か、ガバナビリティー、行政能力が決定的に欠如している証左として、全国の嘲笑の的に
なることは疑いありません。事業内容そのものが全国の物笑いの種であるばかりでなく、
その上こうした事態を招くことは、知事石川の「恥の上塗り」としか言いようのない天下の
珍事件であり、全国にも稀な怪奇現象であります。
 一言にして言うならば、およそ土地収用というものは、世論の圧倒的な支持があって始
めて許されるものです。仮に知事石川が事業認定を申請したとしても、もし国土交通大臣
と建設運輸省官僚が恥も外聞もなくこれを容認するような行動をとるとすれば、それは、
政治倫理も制度の合理性も踏みにじる暴挙として、これまた徹底的に糾弾されるべきで
あります。
 そのような国交省にはおよそ、パブリック・インボルプメントなど口にする資格はないと言
うべきであります。
 「どうして静岡あたりに空港が必要か」 「静岡に空港は要らない」というのは、石原・東
京都知事に言われるまでもなく国民的に極く常識的な判断であります。そして静岡県民も、
県の強引なやり方を前にして「ここのまま行ったら空港はできてしまうのではないか」と思
いながらも、その大多数は「なんとか作らせたくない」と願っています。
 世論は明らかにわれわれに味方しています。この世論を一層盛り上げ結集することによ
って収用を阻止すれば必ず、この空港に完全に引導を渡して県民生活に身近な予算を復
活増額させ、県民福祉の確保と向上に道をひらくことができます。この確信と決意の上に
立って、以下、収用断固阻止のためのわれわれの取り組みについて方針を提案いたしま
す。
1.一にもニにも世論の喚起石川知事に公開討論を要求しよう

 われわれがまず取り組まなければならないことは、一にもニにも世論の喚起であります。
 「静岡に空港はいらない」。これが健全な国民世論・県民世論であることに自信を持っ
て、「県民無視・県民不在のムダな空港を、ましてや土地を強制的に取りあげてまで、絶対
に作るペきではない。収用など、もってのほか.全国に恥をさらす気か」という、県民世論の
高揚と結集に全力を挙げようではありませんか。
 このためには、言うまでもなくリーフレット、ビラの…継続的な大量配付が必要です。連携
できる力と手を結び、住民投票署名集め当時の組織も最大限に活用して、署名集め活動以
上のエネルギーを発揮しようではありませんか。
 また、宣伝と結集の効果を高めるためにも、収用を許さない署名活動を展開する必要があ
ります。これを全国規模に拡大することも検討し実施していきたいと考えます。
 これらを精力的・効果的に展開していくためにも、県内各地で頻繁に集会を重ねていかな
ければなりません。これにも住民投票署名集め当時の組織を活用していく必要があります。
 これらと併せて、全国的な世論喚起まで視野に入れて、問題を中央のマスコミにも的確、
強力に取りあげてもらえるような工夫と努力を積みあげていきたいと考えます。
 こうした世論の喚起と結集の上に立って、知事石川に公開討論を要求しようではありませ
んか。彼が散々、無謀にも強引な推進を重ねてきた挙句、建設の「障害」の責任を「一部少
数の反対地権者の存在」になすり着けスリカエることを、絶対に許すわけにはいきません。
全県民の目の前で、知事石川を始めとした、県民の意思に逆行する建設推進勢力の責任、
つまり彼らの理不尽と不合理を徹底的に追及し、県民に、この建設事業の実態と、個人お
よび共有の反対地権者らが土地を手放さない意思の正当性を、正確に認識してもらう必要
があります。もし、彼らがこの討論の要求から逃れてまで力ずくで事を進めようとする場合は、
卑劣の上にも卑劣、邪悪極まる傲慢不遜として、われわれは世論を一層盛りあげて、どこま
でも追及をやめません。

2.全国規模で「静岡空港収用反対・阻止」の決議・声明を

 第二には、県内にとどまらず全国的な規模で、考え得るあらゆる方面にこの土地収用の
暴逆を訴え、「静岡空港収用反対・阻止」の決議・声明その他の抗議行動を要請していき
たいと考えます。
 要請の対象は、全国の反空港運動組織は言うに及ばず、各地の市民組織や住民運動団
体、地方空港計画を中止・撤回に追い込むことに成功した各地の各政党支部や労働組合、
法曹界では市民運動に理解が深い日本環境法律家連盟、自由法曹団など、学界では社会
科学関係の各種学会など、さらに全国の改革派・市民派の首長たちであります。
 これら諸方面では、この忌まわしい強権発動が日本の民主主義に与える影響の深刻さ
を認識されて、この空港建設が「第二の成田」にならないようにするために、必ず大きい支
援と協力が得られるものと信じます。

3.「土地収用問題」を国会で問題化する

 第三には、この土地収用問題を、国会において問題化することであります。
 国家的に重要でもない、しかし大規模な公共事業について、地域住民に対し直接責任を負
う地方自治体の首長が、みずからの失政を棚に揚げて強権的手段に出ること、ましてや国が
それを容認するようなことは、この国の民主主義の根幹に触れる重大な問題であり由々しい
事件であります。われわれは、このようなこの収用問題の意義を各政党・各会派に強く訴え、
国会の場において論議を尽くしその不当性を明らかにされるよう、強力に繰り返し要請してい
く考えであります。

4.現地に「空港大反対・収用断固阻止」の大看板を設置

 第四には、われわれの断固たる決意を示すものとして、空港工事現場に臨む反対派の所
有地に、「空港大反対・収用断固阻止」の大看板を建設することを提案します。
 この空港は、滑走路・誘導路等の本体部約190ヘクタールだけでなく、約82ヘクタールに
も達する障害切土部分を含めて、本体部とほぽ同じ平面まで切土が完了しない限り、航空機
は一切、離着陸できません。この看板建設は、われわれの決意とともに、われわれが本体部
と障害切土部分にわたって、この空港の致命的地点を確保し制圧している事実をさらに鮮明
にする示威行動であります。

5.地元地域で「空港反対」「収用反対」の気運を高揚させる

 第五には、工事現場周辺にあたる地元地域に対して、従来にも増して強く、「空港反対」、さ
らに「収用反対」のクサピを打ち込むことであります。
 地元地域には、われわれの努力にもかかわらず今だに、県と推進派の宣伝に踊らされて、
ローカル空港など単なる「通過交通地点」に過ぎないことに無知で、空港ができればいかにも
地元が繁栄するかのような幻想に酔っている人たちがいます。
 そして、県下全域の反対の世論とは逆に、地元なるが故に、空しい期待感と浅薄な推進的
空気が拡がっている状況があります。
 知事石川と県、さらに推進派たちは、こうした空気を利用して、設置許可申請時と同じよう
に、これから、「いつまでも膠着状瀬を放っておくことは貴重な土地を提供してくれた人たちに
申訳ない」という、バカげた情緒的宜伝を行うことは疑いありません。
 しかし地元周辺地域には、例えば土地を売った農家と、「空港なんか、できない方がよい」
と考える一般農家や地域住民との間に強い隙間風が吹いています。そして、強権発動によっ
て地域の対立と混乱が拡大することを、良識ある人々はひとしく憂慮しています。また、工事
の拡大に伴う周辺茶園や集落の砂塵被害の増大や、貨物空港化の目論見が地元に対する
約束違反であり騒音被害が増大することについての反発など、多くの不満・非難と批判が渦
巻いています。
 こうした譜点を正確にとらえてクサビを打ち込むことは、「貴重な土地提供云々」の悪宣伝
を封じる上において欠かすことができません。

6.強力な法廷闘争の準備を進める

 第六には、知事がもし収用のため事業認定の申請を行ったときは、時を移さず「事業認定
無効確認」を請求する行政訴訟(抗告訴訟)を提起するため、強力な法廷闘争の諸般の準
備を進めます。
 仮に事業認定が行われ収用裁決が申請されたとしても、県収用委員会が訴訟係属中とい
う事実に牽制されることは避けられません。推進派が「土地収用法を適用すれば二三年で
カタがつくだろう」と考えるのはまったく浅墓というものです。

7.土地収用法適用表明の場合、強力な抗議行動を展開

 第七には、もし知事が土地収用法適用に向けて踏み切る意向を公式に表明した場合は、当
会および空港反対各団体は直ちに抗議声明を発表するとともに、全県下および東京におい
て抗議行動を展開することにします。これには当然、主張を同じくするあらゆる人々の参加
を求めます。

8.事業認定受理の場合、「円卓会議」の設置を提案

 第八には、こうした抗議にもかかわらず、もし伝に国交省が事業認定の申請を受理した場
合は、土地収用法が定める第三者機関の審理や公聴会においてもこの空港事業と強制力
行使の不当性を明らかにするように、公正な行政運営を求めて要求行動を展開していきます。
 この中においては、「成田」におけると同様な「円卓会議」の設置も提案し要求してはどうで
しょうか。
 これらを通じてもこの問題が全国的に注目を集め、その注目自体が権力を牽制し世論を動
かすカになるに違いないと信じます。

9.強権発動に対して、物理的抵抗でたたかう

 第九には、この暴逆極まりない強権発動に対しては、最後の手段として物理的抵抗も辞さ
ない方針のもとに、世論が支持するあらゆる手段の検討を進めていきます。
 世論がわれわれを支持し、およそ許されるペきでない強制力の行使に対して抵抗すること
は、まさに「造反有理」と言うべきであります。物理的抵抗と言えば直ぐ暴力的手段を連想す
ることは誤りです。警察力の導入のような事態に対しては、われわれは志を共にする多くの
人々とともに、例えば座り込みや、立木トラストの樹木とチェーンで結ぶことや「人間の輪」な
ど、体を張って最後まで徹底抗戦し、知事石川の暴逆非道を全国に知らせることによって激
しい抗議と非難と支援の嵐を巻き起こす決意です。

10.来る県議会議員選挙で、空港反対派議員を誕生させる

 第十としては、収用阻止と関連して今、取り組むべき課題があります。
 一つは、来る県会議員選挙において、強制力を用いても空港建設を進めるベきだとする
「強権派」の候補者を落とし、一人でも多くの空港反対の議員を誕生させることに全力を挙
げることを皆さんに要請します。それに先立っては、立候補予定者全員に対して収用問題
に関するアンケート調査を行うことや、公開質問、各種の集会などによって「強権派」候補を
あぷり出していかなければなりません。
 二つには、目下、県が進めている需要予測の見直し作業の結果について、不当な結果で
あれば徹底的にその欺まんを暴いていくこと、また、この事業について、着手以来10年が
経過したものとして国と県が実施する事業再評価について、作業課程の公開を求め、用地
の完全取得もできないこの空港建設の即時中止・計画撤廃を要求することによって、県民
の眼に、知事石川が収用を考えることの不当性をさらに浮き彫りにしていかなければなりま
せん。
 以上のような提案を逐次、全て実施に移していくことによって目指す目標は、知事石川に、
今夏以前に予想される事業認定の申請を思いとどまらせることであります。しかし、彼が仮
に申請したとしても、われわれは国民世論・県民世論をバックにして、国交大臣が事業認定
に応じることを飽くまでも阻止するたたかいを進めます。そして、われわれの目的とするとこ
ろは、この徹底抗戦によって知事石川に、この空港建設を断念させることであります。用地
の完全取得を阻止すれば、泣いてもわめいてもこの空港はできません。
 軍事用語に「縦深陣地」というものがあります。たとえ第一線が突破されても次々と防衛線
が現れる、縦に深い陣地の意味であります。われわれが構築しようとするものは、いわばこ
の「縦深陣地」であります。われわれはこれによって、飽くまでも土地の強制取得を許しませ
ん。

正義と道理はわれわれの上にあり!

 銀行や保険業界に著しい「護送船団」方式と並んでこの国の公共事業のあり方こそが、今
日のわが国の亡国的状況を招いた最大の元凶であることは明らかであります。そして、その
裏には、官僚が政治家や財界・業界・企業と癒着しまた各官庁が地方自治体と慣れ合いも
たれ合って、国民の税金を途方もなく浪費し続けてきた構図があることは誰の眼にも明らか
であります。公共事業の抜本的な改革、公共事業を国民の手に取り戻すことなくしてはこの
国の再生はあり得ません。
 この県の官僚知事もこの構図に深くかかわり合ってきた人物です。そして、こうした状況の
もとにおいてこの空港に関する土地収用問題が国民・県民の前に迫っています。この空港
建設に強権発動を許すか否かは、静岡県に果たして民主主義が在るのか否か、ひいては、
この日本にデモクラシーは定着しているのか否かを証明する試金石と言っても過言ではない
と信じます。
 正義と道理はわれわれの上にあります。そして重ねて申します。
 「静岡に空港はいらない!」、これこそが世論であります。われわれは、この世論がわれわ
れの強い味方であることをどこまでも確信するとともに、ますます自信を深めて、この天、人
ともに許さざる、この上なく邪悪にして暴逆非道な土地収用の意図を粉砕し、この空港建設
が象徴する「県民不在」に替えて、真に県民が主体である県政を実現していこうではありま
せんか。静岡における民主主義の勝利を目指して、壮大なたたかいを展開しようではありま
せんか。