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NO!財政破綻で未来をつぶす空港建設

                             ●白鳥 良香
■石川知事8年間の実績
■空港建設と県財政
危機深まる静岡県財政

■石川知事8年間の実績
1993・ 8…斉藤知事引退の後を受けて知事初当選。空港を筆頭とする
         バブル時代の6大プロジェクトの引継ぎを公言。
1995・12…運輸省に空港建設を本申請。
1996・ 7…運輸省、静岡空港建設を認可。「用地は100%買う」と知事
         念書が担保。
1997・ 8…知事再選。空港反対候補・島野房巳氏に急追される。
1998・11…空港本体工事着工、泥沼に突入。
1999・ 秋…知事ようやく財政危機を宣言。職員給与切り下げで急場を
         凌ぐも、空港は絶対造ると居直る。
2001・ 1…知事与党民主党、知事三選の推薦を断り自主投票決定。
         同じく与党社民党も空港建設凍結進言を拒否され自主投票。


●基金 知事初当選・93年度末   財政5基金  1629億円が
現在     2000年度    財政5基金   731億円(45%)
●借金 知事当選直前・92年度末  県債残高    9014億円
現在  01年度末見込み  県債残高 2兆2138億円(2.5倍)
●借金 知事当選直前・92年度   借金元利額    845億円(1日2.3億円)
現在       00年度   借金元利額   1846億円(1日5.1億円)


行財政水準
(指標値)
93年 全国順位 98年 全国順位
民生費 4.49 47 5.17 47
社会福祉費 1.22 45 1,27 47
児童福祉費 1.49 37 1.56 42
衛生費 2.57 38 2.33 40
労働費 0.69 15 0.25 42
老親福祉費・人口1人当たり 12.59 47 16.84 47
児童福祉費・人口1人当たり8.934311.8244


空港建設と県財政


1.知事発言
 知事は、県財政の危機的状況の中で空港建設の中止、あるいは凍結、見直しの指摘に対
して、議会、或いは記者会見の場で、次のように発言している。
 「今、財政が苦しくとも、未来の県民のための社会資本として空港は必要」
 「財政難でも、年150億円前後の建設費は心配なく支出できる」
 「政治生命をかけて空港建設はやり遂げる」

2.住民訴訟での県幹部発言
 2000年1月12日の訴訟で、静岡県空港建設局次長・野俣光孝氏は次のように陳述し
 た。
 「静岡県の財政を分析すると、経常収支比率はH9年・87.5で全国24位
  財政調整基金はH9年・146億円で全国10位。確かに財政は厳しいが全国的に見て
  も平均より上にあり、空港建設に支障はない」
  これに対して、原告代理人・阿部弁護士は次のように反論
  静岡県の経常収支比率は1985年(S60)に74.7で、全国4位
          それが     1998年(H10)に96.4で、全国39位に転落

     財政調整基金は1997年・146億円あったものが、
                1998年には、わずか4億円になってしまった。

 「この事実を認めるか」と一喝されて、野俣、「認めます」


危機深まる静岡県財政
 93年、石川知事が登場したときは、バブルのはじけた後ですから、私たちは、石川知事の
第一の任務は、斉藤前知事の大型土木事業最優先のバブル路線を清算して、県財政を健
全路線に転換させる事だと主張しつづけてきました。 
 しかし、石川知事は「私の第一の公約は斉藤前知事の6大プロジェクト事業を引き継ぐ事
だ、特に、空港建設は私の政治生命をかけてやり遂げる」と広言してはばかりませんでした。
 勢い、その後の7年間、静岡県の財政運営は経済環境変化の実態を無視して、バブル路
線を走り続け、破産の瀬戸際まで来てしましました。 
 98年末、ようやく石川知事も財政危機を喚きだしましたが、その内容は、大型建設工事優
先の見直しではなく、民生・福祉等の生活関連予算の10%〜20%の引き下げでした。
 さらに、99年は職員給与の引き下げに手を付けようとしています。「ゼネコン予算は絶対
減らさない、県民と職員は我慢せよ」と言う方針です。これを数字で検討して見ましょう。
1.県税収入の落ち込み


年度 決算(千円) 歳入費%
91年 525681216 48.5
92年 494194710 43.1
93年 449528274 35.7
94年 453410100 35.9
95年 463042457 34.8
96年 474191587 35.4
97年 505958606 38.5
98年 471000000 32.2
 91年度(平成3年)には、歳入の5割近くあった県税収入も、98年度はついに3分の1を割
り込んでしまい、絶対値でも91年度を下回り続けています。99年度はまだ予算の段階ですが
昨年以上に厳しくなっています。
 政府は最近、景気の底入れ、上向きを宣言していますが、県税収入の32%を占める事業税
を負担している県内中小企業の景況は一層厳しくなっており、県信用保証協会の99年6月末
の保障債務残高は前年比132.5%と激増しており、98年の経済変動対策特別融資の返済
猶予期限の切れる99年10月以降の事故、倒産の激増が予想され、景気回復による県税収
入の増加は望むべくもありません。
(この財務分析は99年当初予算と、97年決算をもとに分析し、99年秋に書いたものですが、
その後の進行をみると危機はますます深まり、99年末には遂に聖域といわれた職員給与の
切り下げにまで至りました。2000年当初予算の経常費は30%切り下げが要求されています)

2.増えつづける土木工事

 バブル崩壊と構造的不況による県税収入の落ち込みにお構いなしに、斉藤、石川と二代に
わたる保守県政はゼネコン奉仕の大型建設事業を県政の柱に据え続けてきました。

年度 土木費決算
額(千円)
県税歳入
比(%)
91年 243279685 46.3
92年 296005369 59.9
93年 309542414 68.9
94年 306598590 67.6
95年 321553170 69.4
96年 316896593 66.8
97年 275114251 54.4
98年 314628815 66.8

 上記の数字が示すように、不況に合わせて事業を縮小するどころか、税金の6割〜7割を
振り向け、そのしわが福祉などの経常費予算の圧縮と、借入金の増大に向かっています。

3.起債という借金制度に首まで漬かる

 地方自治体は国の許可を得て起債(後年払いの約束で政府や銀行から借金する事)によ
って財源を賄う事ができますが、後年の顕在性での借金払いの割合が増大する事によって
財政の硬直化の要因になります。

年度 起債額 年度末
県債残高
91年 133626 784150
92年 179487 901378
93年 252378 1030210
94年 239758 1181806
95年 299886 1406284
96年 274086 1606284
97年 246334 1748061
98年 317912 1963306
99年 254259 2094317
00年 202228 2146781
01年 204467 2213827

 91年度の借金残高7千8百億円が、わずか7年間で2.5倍の1兆9千6百億円に増大
していますが、これは戦後歴代県知事のなかで最速の借金増大スピードです。またこの額
は98年度一般会計予算の1.45倍にも上がっています。
 この借入金(県債)は起債ごとの利率、返済年限等の条件に従って、毎年度の予算に公
債費として計上、返済されますが、次項の表に見るように、91年度には年間総歳出の7.6
%だった借入金返済額が、99年度当初予算では11.5%と、公債費比率の危険ラインと
言われる10%を超えてしまいました。

4.公債費の重圧、1日4.3億円の借金払

年度 公債費決算額
(百万円)
歳出費
(公債費比率)%
県税比% 公債費負担
比率%
91年 82305 7.6 15.7 9.0
92年 84466 7.3 17.1 9.3
93年 125662 10.3 28.0 9.9
94年 118589 9.3 26.2 10.7
95年 95539 7.3 20.6 11.5
96年 112731 8.5 23.8 13.0
97年 130383 10.0 25.8 15.0
98年 139272 9.5 29.6 16.6
99年 155122 11.7 34.5
00年 184561
(最終予算)
13.6 38.8
03年 229100
(財政部中期試算)
16.3 46.5
 99年の当初予算では、県民がこの不況下に血税として納めた県税の3分の1以上の金
額が借金の元利払いに消えてしまう事になってしまいました。因みに99年度の公債費額
を1日当たりにすると、4億2千5百万円が銀行に吸い込まれていく計算となります。
 県財政部の試算では、4年後の2003年度の公債費額は2千291億円となり、歳出に
占める割合は16.3%と、超危険ラインに成っています。またその対県税比は、実に46.5
%と推計されています。税金の約半分を借金返済に回さなければならない事態が目前に
迫っているのです。(今一つの財政指標の公債費負担比率も、警戒ラインの15%を超えて
危険ラインの20%に近付きつつあります)