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もう静岡も変わらなければならない

●2001年6月 「空港ノー」吉田町民の会

●私たちはなぜ空港建設に反対してきたのか

 この空港建設計画は、私たち吉田町民にとって騒音・振動の被害、墜落や洪
水発生の危険など、大変な生活破壊の危険をはらむものです。そんな「迷惑施
設」をつくるには当然、予定地選定の段階から「住民参加」の手続きが踏まれな
ければなりません。しかし石川知事と県は、空路直下の私たち吉田町民の考え
など全然聞くことなく、一方的・独断的・権力的に予定地を決めて押し付けまし
た。これは被害が集中する周辺各地域にとっても同様でした。そして地域の自
治体や議会は、この県の方針になんの疑問も示さず盲従しました。
 このやり方について石川知事は、いまになって「住民参加などに不足があっ
た」と発言しています。しかし、住民参加のように基本的な問題について欠陥が
あったことを認めるなら、この空港予定地は【白紙撤回】するのが当然です。
 既成事実を積みあげておいて、言葉でごまかすようなことは卑劣です。
 そればかりではありません。私たちが運動を始めてから、この空港はろくな旅
客需要が見込めないのに莫大な建設費がかかり、採算性はなく大変な税金ム
ダづかいであることや、取り返しのつかない環境破壊が起きることなど、次々と
多くの重大な問題が明らかになりました。県が買収した空港用地は滑走路の中
心部分や障害切土部分など致命的な区域で完全な「虫食い状態」のままで、工
事はまったく行き詰まっています。また全県的にも、この空港の必要性について
県民合意が成立しているというには余りにもほど遠い状態です。
 私たちは、県民にとってどうしても必要な施設で、住民参加の手続きを踏んだ
上で適地はここしかないという結論になったなら、仕方がないと思います。
 しかし、県民が望みもしないムダな空港建設が強行され、そのために私たちが
犠牲にされることは絶対に我慢できません。また多くの良識ある県民は、役にも
立たないローカル空港建設で子供や孫まで借金に苦しむのはごめんだと考えて
います。
 私たちは、バブルの遺産としか言いようのないこの県営空港は、【石川知事と
一部の政治屋たちと大手ゼネコンの利益のためにだけ建設されるもの】と断言
して憚りません。

●住民投票を求める29万人の署名が意味するもの

 空港建設のイエス・ノーは住民投票で決めようという署名は、県民有権者のほ
ぼ一割、29万人余に達しました。その中でも吉田町の署名率は県下最高でし
た。多くの皆さんのご支援ご協力に深く感謝いたします。
 石川知事はこの直接請求署名運動を、最初は「そのときの県民の判断か正し
いとは限らない」と県民を見くぴった発言をしていましたが、署名が20万を突破
しそうになると「重大なことと受け止める」とたじろぎ始め、最後は「住民投票賛
成」と引っくり返りました。この豹変ぷりに知事与党の県会議員たち始め推進派
は当惑を隠しようもなく、混乱はいまだに収まっていません。知事与党の県議た
ちは、ここで住民投票条例制定に反対しなければ、自分たちのいままでの方針
や立場と首尾一貫しないのではありませんか。
 しかし、知事の空港建設についての本心は少しも変わっていませんし、知事与
党はおそらく、住民投票を骨抜きにしたいと考えているでしょう。予想されるその
悪だくみの奥の手が、条例に「五〇パーセント条項」 (投票率が五〇%に達し
ない場合は開票せず投票を無効とする規定)を盛り込むことです。これがどれほ
ど理不尽かは、それでは首長や議員の選挙で投票率五〇%以下なら開票せず
無効とするのか、と考えるだけで誰にも明らかです。

 無党派市民層の要請に応え静岡県の改革を決意された水野誠一氏(元西武
百貸店社長・慶大特別招へい教授・無所属参議院議員)は、この県営空港を、
およそ採算性を考慮せず、民間では考えられない無媒な計画で、「全国的に物
笑いの種」と批判するとともに、「民間企業が血と汗を流してリストラを進めてき
たときに、税金を湯水のように使う大型公共事業を進めて財政破綻を深刻化さ
せた静岡県政にはムリ、ムラ、ムダと無責任が渦巻いている」と厳しく指摘し、
【聖域なき改革】と【公開と参加の県政】を掲げてたたかいを開始しました。
 私たち「空港ノー」吉田町民の会は、県民の熱い声に応え敢えて困難極まる
県の行財政建て直しと、民意の活きる県政への改革に取り組むことを決意され
た水野氏に全県下にわたる仲間とともに全力を挙げて支援し行動することを決
定しています。
 私たちは、水野氏の知恵と情熱と行動力に明日の静岡を託し、この反県民的
な空港を潰すことによって静岡の未来を切りひらいていこうと堅く思い定めてい
ます。
 静岡県と地方紙社説は、「未来思考」という言葉でこのバカげた空港建設を飾
り立てようとしました。既にバブル経済が完全に崩壊した8年前に就任したとき
に今日の財政破局を予想もできなかった石川知事に、「未来」が見通せるはず
がありません。空港推進派が言う「国際化時代に地方空港を」とか「大交流時代
に備えて」などというスローガンには、全然、中身がありません。中曽根内閣の
もとで始まった「一県一空港主義」の失敗は歴然としています。日本の航空事情
は、いまや明らかに、最も効率的な投資である大規模空港の再整備と、それへ
のアクセスの改善によって需要を充足する方向に向かっているのです。
 もうローカル空港の時代ではありません。特に、東京・名古屋・大阪とも結ばな
い「静岡空港」の建設など、県民・国民の税金をドプに捨てる以外の何ものでも
ありません。(抜粋です)