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先に提出した、監査請求の、陳述の機会がありました。
以下はその時陳述した内容です。

静岡県職員等措置請求の趣旨に関する陳述書

1、環境影響評価からオオタカ保護検討委員会

 静岡空港計画に関して作成された環境影響評価書(1995年)では、「今後、
生息状況や繁殖状況等の調査を継続し、オオタカの保存に努める」「空港の建設
に伴い、一時的には猛禽類の生息環境の変化による影響が考えられる…これらの
環境の代償・復元に当たっては、学識経験者の専門家による検討機関を設置して
検討を行う。工事中もモニタリング調査を実施し、学識経験者等の専門家の指導
を得て、影響の内容に応じた適切な措置を講じる」(同書P482、562)と
しました。

 それを受けて1995年に設置された、「静岡空港自然環境保全対策調査委員
会」の「野鳥調査小委員会」が1996年に実施した調査で、空港事業地内での
オオタカの営巣が確認されました。そして、同年9月に設置された「静岡空港オ
オタカ保護検討委員会」は、1999年12月に「静岡空港建設に伴うオオタカ
保護に関する提言」をまとめました。

2、保護検討委からの提言に基づく保護対策とその結果 
 この提言は、「事業区域に生息するオオタカの保護だけに固執するよりも、周
辺に生息する複数のつがい(地域個体群)を含めた広範囲な保全を実施する方が、
実効性のある成果が期待できる」として、「事業区域(530ha)だけでなく、
より広範囲な区域約4,000haを保護対策の対象範囲とする」(同提言P18)
としました。その上で、その範囲内の営巣地のある地域を5つ(A・I・G・T
・K)に分類しました(資料1)

 そして、5つの地域のうちの1つであるI地域では環境改変が行われるが、既
存の営巣地を「営巣環境保全エリア」として保全していくといった保護対策を行
うことによって、範囲内にある「4つがいの繁殖活動は継続できる環境を保全・
整備していく」(同提言P18)と結論づけました。

 また、「オオタカの専門家を加えた継続的なモニタリング体制」を整備し、「モ
ニタリング調査により毎年の生息・繁殖の状況を把握し、保全策の再検討や行政
と地元住民に協力要請を行う際の基礎資料とする」(同提言P19)として、以
後の調査が続けられることとなりました。

 そして、「2002年はA地域での営巣行動なし」という調査の結果が、今年
6月の「第3回オオタカ保護連絡調整会議」には報告されていたのです
(資料2 太線部内)


3、新たな営巣地の確認
 ところが7月になって、A地域内で調査を行っていた範囲とは全く別の場所で、
営巣・繁殖活動が行われていたことが、県による調査体制とは全く関係のない、
民間からの情報で明らかになりました。それを受けて県はあわてて調査を行っ
て、新しい営巣地を確認しました。この場所は従来の営巣地から尾根を越えて
500m以上離れた、「営巣環境保全エリア」外の地点にありました
(資料3)

 この間の調査はモニタリング調査(資料4−※1)であったため、「営巣環
境保全エリア」とされた榛原町側の営巣地周辺でのみ行われていました。そのた
め、同じA地域内でも「営巣環境保全エリア」外の、尾根を越えた島田市側での
行動は把握されていませんでした。そしてその結果として、「A地域での営巣行
動なし」という調査結果も出されていたのです(資料2 太線部内)

 したがって、この新たな営巣地における、@オオタカの行動圏、A個体の識別、
B行動圏の内部構造といった、『猛禽類の保護』で定められている保護対策の前
提となるデータは、全く把握されていませんでした。

4、新たな営巣地への保護対策とその問題点
 この新たな営巣地の周辺では、年内着工予定の調節池の工事と、将来的には障
害切土の工事も予定されていました。そして、10月に開かれた「第4回オオタ
カ保護連絡調整会議」では、「営巣木の近くでは今後、改変が行われることから、
保全地域又は、新営巣木近傍の適地への誘導を図る」「新たに確認された営巣木
近傍での繁殖期の工事は、環境省の保全マニアルである『猛禽類保護の進め方』
に従って、工事上の配慮を行う」という対策が提案され、承認されました。

 しかし前述したように、新たな営巣地に関する「行動圏調査」
(資料4−※2)
は行われておらず、この新たに確認された営巣地のつがいが、
従来の営巣地に生息したつがいと同一のものであるのか否かという、個体の識別
もされていませんでした。また、それに基づく「内部構造調査」
(資料4−※3)
も当然行われておらず、その結果として「調査結果の解析」
(資料4−※4)もなされていないというのが実態でした。

 ところが県は、「第4回オオタカ保護連絡調整会議」の場で、10〜11月に
「行動圏調査」を行ったうえで工事に着手すると提案していました
(資料5 太線部内)。しかし、新たな営巣地に関する「行動圏調査」には、
2繁殖期を含む1年半以上の期間が必要となります。そうでなければ、「内部構
造調査」及び「調査結果の解析」を行うことが出来ないからです。したがって
2ヶ月では当然その要件を満たすことは出来ません。私たちはこのことを環境省
に知らせ、適正な調査を行うように環境省が県を指導することを要請しました
(資料6 太線部内)


5、適正を欠く工事に至る経緯 
 環境省は私たちの要請を受けて、11月5日に県から事情聴取を行いました。
これに対して県は11月13日に、「工事工程上の改善」と「工事工程上の配慮」
を行うことを環境省に報告して、工事に着手することとしました。

 この「工事工程上の改善」と「工事工程上の配慮」は、『猛禽類保護の進め方』
での「事業計画上の配慮(計画の変更、規模縮小、中止など)」と「事業実行上
の配慮(工期工法の調整による騒音等の対策、中断など)」に当たります
(資料4−※5、※6)
。このような「配慮」は、「行動圏調査」「内部構造
調査」及びその「調査結果の解析」に基づいて検討されるものと、『猛禽類保護
の進め方』では定められています。

 したがって、「行動圏調査」「内部構造調査」及びその「調査結果の解析」が
なされていない以上、「事業計画上の配慮」と「事業実行上の配慮」に当たる
「工事工程上の改善」と「工事工程上の配慮」の検討は当然出来ないはずです。
ところが県は、「配慮」の内容を一方的に策定して、工事に着手したのです。こ
の一連の手続きが、『猛禽類の保護の進め方』を無視した適正を欠く行為であっ
たことは明らかです。

 また、「オオタカ保護に必要な諸事項について協議する」と要綱で定められて
いる「オオタカ保護連絡調整会議」においても、この「配慮」についての検討、
議論は一切されていません。そして、11月5日の環境省による意見聴取から、
11月13日の環境省への報告に至るまでの経過についても、「オオタカ保護
連絡調整会議」での検討、議論はされていません。この「配慮」を確定する作業
は、県民からの批判を避け、これ以上の環境省からの指導を避けるために、密室
において拙速に行われたもので、「オオタカ保護連絡調整会議要綱」にも反する
ものと考えられます。この点からしても、適正を欠く経緯で工事が開始されたこ
とは明らかです。

 またそもそも、『猛禽類の保護の進め方』で定められている、新たな営巣地に
おける「行動圏調査」「内部構造調査」及びその「調査結果の解析」といった諸
作業を行わず、保護対策の前提となるデータを全く把握していない段階で工事を
開始することは、『猛禽類保護の進め方』を無視した適正を欠く行為であること
は明らかです。


■静岡空港オオタカの新たな営巣地周辺での調節池工事に関する
住民監査請求その後


1月16日づけで出された住民監査請求について、1月28日にこちら側の意見
陳述が行われましたが、
2月5日は空港建設局側の意見陳述が行われました。

 立会人として出席して、空港建設局側の陳述に意見を述べることができるので、
立ち会いを行い意見を述べてきました。
電波法52条違反については、向こうも
認めざるを得ないよう
です。陳述では「問題ない」と主張していましたが、監査
委員
からの質問への答弁では、ほぼ認めていました。
 「誘導策の効果はありましたか?」という質問に、「飛翔が確認されていますの
で効果はある・・・」と答えていましたが、
「誘導」しようとしているのはオオ
タカの「営巣・繁殖活動」であ
り、生息ではありません。繁殖期に入る前に、誘
導しようとして
いる地点で飛翔していたからといって、「営巣地の誘導に効果
り」などとは当然ならないはずです。

 その他、細かな点ではいろいろ問題はありますが、なかなか難しいな、というの
が実感です。
現在月に2回のオオタカ調査を行っていますが、その中で、今回問
題となった新たな営巣地と、さらに予定地内での営巣が
確認できたらなあ、と願っ
ているところです。

中村英一
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