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住民投票条例実施を求める声明

●2001年7月31日

 静岡県民は今回の知事選挙において.全国的な注目の中、極めて重大な問題を抱え
る選択を行った。
 静岡県政は、最もムダな公共事業の典型として全国に知られる静岡空港の建設を中
心として、血税を湯水のようにつかいバブル経済の遺産に過ぎない大型公共事業偏重
の政策を強引に推進してきた結果、確実に迫り来る大地震対策のため積み立てられて
きた貴重な基金もほとんど取り崩した状態にある。
 一方、民生・福祉・医療・教育など県民の生活に密接な予算は依然として全国でも最
低の水準に抑え、それをさらに切り下げる方針をとっている。
 そして、県財政は完全な破産状態に陥っているにもかかわらず、県はおよそ現実から
遊離した経済成長率などの見込みのもとに、空疎で実現性のない財政再建計画しか持
ち合わせていない。
 静岡県民は今回の知事選挙において、このような全国でも稀にみる不合理で無責任
極まる県政を、さらに継続させる道を選んだ。県政はすでに、正常化を図り得る限界に
達している現在、なおこのような選択を行うに至った以上、この選択の誤りは必ず近い
将来、県民のさらなる苦難としてみずからの上にはね返ってくることは疑いない。
 今回の知事選挙に際してマスコミが行った県民世論調査によれば、「空港反対」の比
率は「賛成」を圧倒的に上回るのに、同時に、空港建設を最重点の政策項目とする現知
事を支持する者が多数を占めている、典型的な「ネジレ」である。しかし静岡空港の建設
は、いまや2兆円になんなんとする県の借金、地震対策基金の大半の取り崩し等と並ん
で、放漫で無計画的、無責任な官僚県政の体質全体を最も集約的に示すものであって、
県政にとって決して枝葉末節の問題などではない。成熟した民主主義のもとにおいては、
このような「ネジレ現象」は起こり得ないものである。
 今回の知事選挙において示された県民の選択は、おそらく、このような「ネジレ」に基づ
く価値判断が選挙において表面化したものである。
これは、静岡県民の政治意識の水準を示すものにほかならないとともに、県民は遠から
ず、そのような政治意識に基づく今回の選択の重大な誤りに気づかざるを得ないであろう。
 しかし、今回の知事選挙は県民が賢明な選択を行うペき無二のチャンスであって、その
選択を誤ったことに気づくときは「時すでに遅し」の嘆きを避けられないであろう。
 今回の知事選挙はまた、全国でも数少ない県規模の住民投票実施の行方にもかかわる
ものであった。
 現知事は静岡空港建設の是非を問う住民投票の実施に賛否を表明しているものの、か
ねてから、知事選挙の結果によっては知事与党と示し合わせて継続審議中の住民投票条
例案を否決に持ち込むことも予想されていた。
 しかし、現知事が三選に力を得て空港建設を強行するときは、県財政はさらに決定的な
危機に陥ることが避けられない。また、空港建設に反対の意思を持って住民投票直接請求
の署名に応じた県民は極めて多数にのぽり、先に挙げた世論調査の結果を見ても空港建
設について県民合意が成立しているというには余りにも程遠い状態にある。さらに、空港建
設強行の過程には、未買収用地を力づくで取り上げる土地収用まで予定されていることは
明らかである。
 このような由々しくも重大な問題をはらむ空港建設については、県民の意思を直接確かめ
る住民投票の実施が絶対に必要である。
 そしてまた、この住民投票の実施賛成は現知事の全県民に対する公約でもあり、実施賛
成を公約した以上、住民投票条例の成立に向けて最大の努力を傾けることが当然の責務
である。しかし知事選挙における県民の選択は、空港住民投票がこのまま葬り去られかね
ない状況を招いている。県民は、「空港住民投票賛成」を知事選挙を有利に運ぶための方
便だったとして使い捨てるようなことは決して許すべきではない。そのような事態に対しては、
私たちは断固として憤激の戦いを挑むであろう。
 私たちは、県民が県政をみずからの手に取り戻す賢明な選択を行わなかったことをこの
上なく無念に思いつつもなお、悪政による私たち県民のこれ以上の災厄をできる限り防止し
軽減するため、県民の利益に反する静岡空港建設の阻止に向かって敢然として戦い続け
る。
 現知事が全国世論の注視のもとで「空港住民投票賛成」の公約をホゴにするようなことは
断じて許さない。私たちは、この戦いの正しさは必ず、時の推移とともに一層鮮明となるに
違いないと信じ、良識と勇気ある県民がともに奮起されることを強く期待する。
 私たちは、私たちが擁立した知事候補が「この空港はあってはならない空港」「勇気をもっ
て無責任な官僚県政から民意の活きる知恵の県政に変えよう」と情熱と使命感をもって力
強く訴えたことの正しさが、やがて県民大多数の認識となり、そこから静岡新生の道が開か
れることを確信する。私たちはこの確信のもとに.静岡空港建設中止の日まで、全力を挙
げて前進し奮闘するものである。

                       2001年7月31日 空港はいらない静岡県民の会